日本の社会保障にはお金がかかり過ぎている

  • 2018.07.17
  • 2018.11.12
  • 社会
日本の社会保障にはお金がかかり過ぎている

初めに

時には「破綻している」等とも言われる社会保障ですが、現在どのような状態であるか確認してみます

この資料を使います

こちらの資料を使います。

内閣府 > 社会保障ワーキング・グループ > 第26回会議資料(平成30年4月19日) > 資料2 社会保障について(財務省提出資料)-印刷用 (PDF形式:3215KB)

社会保障は、主に年金と健康保険にお金を使っている

社会保障にはお金の出入りがあります。

急に大きなけがや病気をしてしまった、何らかの理由で働くのが困難になってしまった、そんな人々を見捨てずに救ってゆくセーフティーネットとして機能するために色々お金を使っています。また、使っているという事は、どこかからかお金をもらってきています。もらわなければ使えませんから。

まずは何にお金を使っているか見てみます。

次は社会保障のお金の使い道のグラフです。最新はグラフの右端で、120兆円お金を使ってることが分かります。

分かりにくいことに目盛りは左です。(自覚してるのか、棒の上にも120.4と書いてあります)

年金・医療費・その他と分けてあります。

わざわざ項目に切り出している年金と医療費は特に巨額で、ガンだと言ってますね。

年金には57兆円、医療費には39兆円かかっています。

でもこの金額、桁が多すぎてよくわからないですね。

ではこの金額がどのような金額か、比較していこうかと思います。

国家予算と比較してみる

比較の相手もスケール大きく、日本の予算としてみます。

資料は次からです。さて、社会保障に払ってる120兆円と比較してみましょう

財務省 > 平成30年度予算政府案 > 平成30年度予算のポイント(PDF:690KB)

 

えーと、予算の総額が97兆円ですか。

あれ?社会保障に払ってる額は120兆円でしたから、社会保障費は国家予算より大きいのですか。

かなり大きいという事がわかりましたが、もう少し見てみましょう。

国の収入と比べてみる

国の歳入のみの図が以下です。

97兆円の収入がありますが、外側の円の薄いところ「租税及び印紙収入」が国民というか我々から色々集めてるお金です。

税も色々あって所得税、法人税、消費税、その他とありますが全部を合計すると59兆円という事す。

あれれ?社会保障では120兆円使ってるのですよね、国が国民から集める額の倍も社会保障に払ってます。

あらあら。120兆円とはえらく大きな額と分かってきました。

しかし、集める以上に使ってる、59兆円しか集めてないのに120兆円使うとはどんな仕組みなのでしょうか?

ちょっと話はそれますが、上の円グラフの赤い部分「公債金」も注目です。

これは国債を発行しています。要するに借金です。

なんと33兆円も借金を追加しています。国の収入の合計は97兆円ですから、収入の3分の1は借金で調達しているという事になります。

これまた恐ろしい額です。返すことができるのでしょうか?

 

国の使う額と比べてみる

まだ国の予算と比較してみます。

今度は国が払う額です。

えーと「社会保障」というのがありましたね、社会保障に33兆円使ってます。

ここでさっきの疑問です。

社会保障では120兆円払ってたのですよね。33兆円国からもらっても全然足りませんよね?払えませんよね?

この疑問については後述します。社会保障は他からもお金を引っ張ってきているのです。

しかし、これと比べると120兆円とは中々の額であることがよくわかります。

もう少し比較を続け、国の予算でやり玉にあがりやすい物二つと比べてみましょう

文教及び科学振興費

文教及び科学振興費です。

学校関連にかけるお金が入ってます。教員さんの給料等がこれです。

もう一つ、科学技術の研究開発費も入ってます。

その文教及び科学振興費は5兆円です。

・・・念のため書きますと、社会保障では120兆円も使ってます。

ふーむ。。。

例えば、文教及び科学振興費を倍の10兆円にできたら、教員のブラック労働とかは全部解決しそうな気がします。

なんとなくで言ってしまいますが、社会保障費の120兆円ってちょっと高すぎやしませんかね?

防衛費と比較してみる

政治に興味がある人の中の一部の方が「高い」と問題視する防衛費です。

その防衛費は5兆円です。

・・・念のため書きますと、社会保障では120兆円も使ってます。

ふーむ。。。

日本を24個防衛できる額を社会保障に使っている訳です。

なんとなくで言ってしまいますが、社会保障費はちょっと高すぎやしませんかね?

公共事業費と比較してみる

よくやり玉にあがる公共事業費です。

国に何かやって欲しいが財源がないという話になるとよく「無駄な公共事業を削減して財源とする」という具合で悪人扱いされます。

その公共事業費は6兆円です。

・・・念のため書きますと、社会保障では120兆円もつかってます。

ふーむ。。。

無駄な公共事業どころか、全部削っても社会保障の20分の1にしかなりません。

社会保障に使っている120兆円は恐ろしい額だというのがまた分かってきました。

社会保障の財源はなにか

社会保障では120兆円使ってます。

使ってるという事は、どこかから120兆円入ってきてるわけです。では、どこからお金が入ってくるのか見てみましょう。

上でつかったこの資料に戻ります。

内閣府 > 社会保障ワーキング・グループ > 第26回会議資料(平成30年4月19日) > 資料2 社会保障について(財務省提出資料)-印刷用 (PDF形式:3215KB)

なんだか黄色や赤の怪しい四角が並んでますが、今知りたい部分はこの図の4つの辺です。

図の左端に「国庫 32.7兆円」という四角がありますね。

これが先ほどの国の予算の払う額から回ってきたものです。

どれどれ、他には何があるのか確認してみましょう

社会保険の税源:保険料とは

図の上端に「保険料 68.6兆円」と書いてあります。

そうですね、我々は税金以外にも『社会保険』と言う形で国にお金を払っています。

サラリーマンの方は給与明細を確認してみて下さい。『社会保険』の中には色々項目があり「健康保険」「年金」「介護保険」「雇用保険」等を払っているはずです。これが、上の図の「保険料 68.6兆円」です。

それらとは別に「所得税」と言う形で、税金も取られているはずです。こちらが、国の予算での「税収」に入って行く訳です。

 

話を「保険料」に戻します。

社会保障は保険ですので、本来はこの我々が払う「社会保険のお金」だけで運用するべきものです。ですが、払う額がどんどん増えてきたので、あちこちからお金をかき集めて年金や健康保険に払うお金を工面しているのです。

社会保険の財源:地方負担とは

図の下端に「地方負担 13.6兆円」とあります。

これは、国ではなく県や市等の地方からのお金です。

地方からと言ってますが、結局これも我々が払っています。

サラリーマンの方はもう一度給与明細を確認してみて下さい。「市民税」と言うものがあるはずです。この市民税と言うものは、国ではなく県や市に払われます。ちなみに税率は10%です。

市民税は県や市に払ったはずなのですが、一部が巡り巡って社会保険に合流している訳です。

お金にしてみればこんな所でしょうか。

「よう、また会ったな。お前は国経由か、オレは地方経由だ。そっちの奴は社会保険経由だ。また仲よくしような」

まとめ

いかがでしたでしょうか。

この記事ではざっくり社会保険の現状を説明してみました。

最後に私の感想を少し書きますと次の様な感じです。

「今の日本は、国の総力を挙げて社会保険に金を集めて、年金や健康保険に回している」

皆さんはどうお考えでしょうか?

では、この記事はここで失礼致します。

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